私が、高校生の時からファンな、スタニスラス・メラールさんという俳優さんがいるのですが、「俳優の仕事を嫌々やってる。ピアニストになりたかったのに挫折した」と言っているのに、前から感情移入してました。

変わった経歴の俳優さんで、フランスの音大エコール・ノルマルでピアニストを目指していたのですが諦め、金箔職人をやっていたら、スカウトされて俳優になった、という経歴の持ち主です。

「俳優だけにはなりたくなかった」と言っていたのですが、私も、ピアノ教師にだけはなりたくなかった。母親にやらされて、仕方なく教室を開いた。

教室を開いたら、私じゃなく、うちの母が得意気に、勝ち誇ったようにしていて、自分負け犬だと感じていた、私。

教室を開いたら、地元で話題の教室になり、道を歩いていたら、知らない高校生から「あっ、ピアノの先生だ」と言われたりして、誰も私のことをわかってくれる人がいなくて、本当にむかついた。

その後、色々あって教室を続けていたのですが、教室を始めてから2年たった2007年の9月2日、「私が仕事を選んだのではなく、ピアノ教室の仕事の方が私を選んで愛してくれた、私にあんなに嫌がられているのに」と思い、「じゃあ死ぬその日までピアノ教室を続けよう」と決めました。

メラールさんも、俳優やってなかったら、私、映画雑誌でメラールさんの写真を見てファンになるなんてこと、なかったよ。

俳優の仕事の方が、メラールさんに嫌がられても、メラールさんを選んで愛してくれたのだと思っています。

20年ファンやっているピアノ教師より。

 

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ブログ 2018/05/30